追想/1956
イングリット・バーグマンが二度目のオスカーを
得たが、これはユル・ブリンナーの映画だ。
人を射抜くような眼、ふと見せる心の脆さ、そし
て有無をいわせぬスキンヘッド!
デボラ・カーと共演の<旅>もよかった。
ロード・トゥ・パーディション/2002
トム・ハンクスは素晴らしい。
<めぐり逢えたら>とも<プライベート・ライアン>とも全く違う
世界の男をみごとに演じている。
だがこの映画の衝撃は、ダニエル・クレイグだ。
惰弱で卑劣な男を演じた彼が、4年後、6代目ジェームス・ボンドと
して颯爽と登場するとは、誰が予想しただろう。
プロデューサーの慧眼に感服する。
L.A.コンフィデンシャル/1997
ケヴィン・スペイシーがいい。
初めて色気を感じた。
深夜、上司の家のキッチンで、振り向きざまに射たれ
息絶える迄の長いクローズアップ、表情秀逸。
ラッセル・クロウもいい。
若さ特有の焦りと率直が画面に溢れている。
キム・ベイシンガー、妖艶にして、オスカーを得た。
ジェームズ・クロムウェル
<ベイブ>の無口で実直な牧場主とはまったく異なり、
有無を言わせぬ強欲で冷徹な悪徳警部。
もし役者ならば、この警部ダドリー・スミスを演じたい。